日本を代表する歌姫「宇多田ヒカルさん」。
10代での「衝撃のデビュー」から、もう20年以上も経つんですね。
その「母親」である「藤圭子さん」も、「歌手」として活躍していた方。
ミュージシャンとしての宇多田さんに「多大なる影響」を与えた藤さん。
今回はそんな宇多田さんの母、藤さんについて見ていきます。
宇多田ヒカルの母は統合失調症?
宇多田さんの「母親」である藤さんは、2013年8月22日に、東京都新宿区のマンション前で倒れている所を発見されます。そのまま「搬送先の病院」で亡くなってしまうのですが、着ていた洋服に乱れや、争った形跡が無かったことから、自分でマンションから「飛び降り」を図ったと断定。
尚、「遺書」などは見つかっていませんでした。
当時の宇多田さんの様子を思い出すと、本当に心が痛みます。
突然母親を亡くしてしまった宇多田さんは、その後「自身のブログ」の中で、生前、藤さんが「精神障害」を抱えていて、「家族」として悩まされてきたことを告白。
その時の「ブログの内容」も確認していきましょう。
「彼女はとても長い間、精神の病に苦しめられていました。その性質上、本人の意志で治療を受けることは非常に難しく、家族としてどうしたらいいのか、何が彼女のために一番良いのか、ずっと悩んでいました。幼い頃から、母の病気が進行していくのを見ていました。症状の悪化とともに、家族も含め人間に対する不信感は増す一方で、現実と妄想の区別が曖昧になり、彼女は自身の感情や行動のコントロールを失っていきました。私はただ翻弄されるばかりで、何も出来ませんでした。」
引用元:宇多田ヒカルBLOG
この宇多田さんの言葉を見ると、母親に対してというよりは、逆に「小さい女の子」に向けて送った言葉のようにも感じます。
藤さんが患っていたとされる「精神の病気」ですが、一説には「統合失調症」だったのではないかとも言われているようです。
「統合失調症」とは、「精神機能のネットワークが上手く働かなくなる状態」のことを指します。
一般的に人は「喜び」「悲しみ」「怒り」「楽しみ」といった様々な「感情」を抱えています。
また、常に「物事」に対して、何かを「考えて」もいます。
こうした「感情」や「思考」を、「脳内の精神機能のネットワーク」を使い行っているのですが、何らかの原因で、様々な情報に「過敏に反応」し過ぎてしまうと、脳のキャパシティを越えてしまうことが。
そうなると精神機能のネットワークに「異常」をきたします。
結果、「感情」や「思考」をコントロールすることが出来なくなってしまいます。
この状態を「統合失調症」と言います。
「脳内の統合する(まとめる)機能が失調している状態」ということですね。
主な「症状」としては、以下のようなものが上げられます。
- 「陽性症状」:幻想や、妄想など
- 「陰性症状」:意欲の低下など
- 「認知機能障害」:物事を臨機応変に対応できなくなる
例えば、実際にはいない人の「声」が聞こえてきたり、起こっていないことを「起こった」と感じてしまったり、誰かが周りで「自分の悪口を言っている」と思い込んだり、といったこと。
自分の母親のこの様な状態を見続けてきたということは、宇多田さんにとって、かなり「辛い体験」だったでしょう。
宇多田ヒカルが病気で転落した母親へ向けた曲は?
藤さんが、自身の感情をコントロール出来なくなってしまったのは、宇多田さんがまだ「5歳」くらいの頃からでした。この頃になると、宇多田さんの「父親」で、藤さんの元夫でもある「宇多田照實さん」の母親に対して「攻撃的な発言」や、「行動」を見せるようになったということ。
そして、その攻撃の対象は、徐々に、「宇多田さん」や「照實さん」にも向けられていきます。
しかし、感情の変化が頻繁に起こるため、そうした行動を起こした数分後には、「ごめん、また迷惑掛けちゃったね」と、自ら「反省」する言葉を述べていたそうです。
宇多田さんらは、藤さんに「病院での治療」も勧めましたが、逆にそのことが「自分たちへの不信感」にも繋がってしまい、本人は治療を拒否。
そのまま、藤さんの精神疾患は、年齢を重ねる事に「重症化」していきました。
藤さんは、亡くなる年の「約12年前」から、趣味だった「旅」に、「思い立ったら出かける」という生活を送っていたそうです。
これは、宇多田さんら家族が、強制的に治療などをさせることは諦め、「自分の好きなような生活を送ってくれてればいい」と考えたのかもしれません。
アメリカでは、一回の入国で「最長5年間」の滞在許可がもらえるビザを取得。
ニューヨークを拠点に、アメリカ各地、ヨーロッパ各国、オーストラリアなど、世界中を気の向くままに旅していました。
そんな生活を送りながらも、宇多田さんらには昼夜を問わず、突然の「電話連絡」があり、普通の会話がされる時もあれば、心当たりのない理由で「罵声」を浴びせられることもあったそう。
結局、最期まで精神の問題が解決されることはなく、「最悪の結果」を招いてしまうことになったのかもしれません。
長い間、宇多田さんは、「母親の精神状態の不安定さ」に苦しめられてきたことが分かりました。
宇多田さんのアルバムに「Fantôme」という作品があります。
この作品は、宇多田さんが歌手活動を「約6年ぶり」に再開させた時に発表したもの。
そして、亡くなった母親、「藤さんに捧げる作品」として制作されたアルバムです。
「Fantôme(フランス語で「幻」や「気配」という意味)」というタイトルは、「輪廻」という視点から、「気配」という言葉を採用しています。
- 私という存在は母から始まったんだから、彼女の存在を「気配」として感じるのであればそれでいい
更に、ジャケットの撮影では、「母の面影」に近づけるため、胸につくまで伸ばしていた自身の髪の毛を大胆にカット。
メイクも、藤さんに寄せています。
「Fantômeの画像」
宇多田さんの作品の中では珍しく、「歌詞はほとんどが日本語」で構成されたこの一枚。
- 「花束を君に」
- 「真夏の通り雨」
- 「道」
それにしても宇多田さんには元気に、これからも「素晴らしい作品」を世に出し続けていってもらいたいな~と思いました。
という訳で今回は「宇多田ヒカルの母は統合失調症?病気で転落した母親へ向けた曲は?」について見てきました。
最後までご覧になって下さって、どうもありがとうございます!