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松任谷由実引用元:https://twitter.com

スタジオジブリの「宮崎駿監督」の「平成最後」となる長編映画「風立ちぬ」。

この映画は、実在した人物「堀越二郎」の半生をモデルに描かれました。

「風立ちぬ」が完成した後の2013年9月、宮崎駿監督は、本作品をもって「長編アニメ作品」から「引退」すると発表。(後に引退を撤回しています。)

制作中は、この作品で「ラスト」という意識が強かったのか、それまでの「ジブリ作品」で描かれてきたヒロイン像とは違ったり、監督の「エゴイズム」が、強く反映されている映画だったなという印象を受けました。

そんな「風立ちぬ」の主題歌と言えば「ユーミン」こと「荒井由実さん(現・松任谷由実)」の「ひこうき雲」。

「ジブリ映画=ユーミン」というイメージもありますが「ひこうき雲」と「風立ちぬ」の相性も抜群でしたね!

ということで、今回は「風立ちぬ」の主題歌「ひこうき雲」の「歌詞」の「意味」について、改めて検証していきたいと思います。

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映画「風立ちぬ」の主題歌に「ひこうき雲」が起用された理由とは?

「ひこうき雲ってどんな曲?」

「風立ちぬの主題歌ひこうき雲」

映画「風立ちぬ」の主題歌「ひこうき雲」は、松任谷由実さんが「荒井由実名義」で「1973年」にリリースしたファーストアルバム「ひこうき雲」の「1曲目」に収録されている楽曲。

松任谷由実さんにとって「2枚目」のシングルである「きっと言える」の「B曲面」に収録されていた曲でもあります。

「ひこうき雲」は、2012年11月に行われた「魔女の宅急便」のブルーレイ発売記念トークイベントに、松任谷由実さんと鈴木敏夫さんが出席した際、鈴木敏夫さんが「風立ちぬ」に「ひこうき雲」を使いたいと松任谷由実さんに「直訴」したことにより「主題歌」に決定しています。

「ひこうき雲が風立ちぬの主題歌に起用された理由とは?」

曲名の通り「風立ちぬ」に描かれている「晴れ渡る青い空」や「吹き抜ける風」を連想させる様な、爽やかなメロディが印象的な「ひこうき雲」。

しかし、実は「身近な人の死」について書かれている楽曲で、歌詞の中には「あの子は死ぬ前も」なんていう一節もあります。

松任谷由実さんが、1983年に出版した「ルージュの伝言」でも「ひこうき雲」は「死に関する歌」だと触れられていましたね。

「ひこうき雲」の歌詞には「2つの死」が関係しています。

まず1つ目は、松任谷由実さんが、まだ「高校3年生」だった頃に、近所の団地で起こった「高校生同士の飛び降り心中」。

当時、この事件は、ニュース番組などでも大きく取り扱われたそうです。

松任谷由実さんは、この出来事によって「もう1つの死」を思い出します。

それが、彼女の「小学校時代」の「同級生」が「高校1年生」の時に「病気」で亡くなったこと。

この「2つ死」から着想を得て、松任谷由実さんは「ひこうき雲」を描き下ろしました。

映画「風立ちぬ」の主人公は「近眼」で、自分では飛行機を操縦することは出来ないものの、それでも「空への憧れ」が捨てきれず「飛行機の設計士」となった「堀越二郎」。

そして、その堀越二郎を支えるヒロインが「里見菜穂子」です。

「結核」を患いながらも、主人公に寄り添い、療養生活の末に亡くなっていく「里見菜穂子の死」もテーマにしている「風立ちぬ」。

「死」という共通のテーマを持つことから「ひこうき雲」は「風立ちぬ」のテーマソングに起用されたのでしょう。

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ひこうき雲の歌詞の意味にユーミンが高校生で体験した事件が関係?

「ひこうき雲」の歌詞は、松任谷由実さんが「高校生の頃」に体験した「2つの死」が密接に関係していましたね。

松任谷由実さんは、この「2つの死」からインスピレーションを受け、高校の終わりか、大学生になったばかりの頃くらいに「ひこうき雲」を描き下ろしています。

そのうちの1つである「飛び降り心中事件」。

自著「ルージュの伝言」の中で、松任谷由実さんは、こんな言葉も残しました。
  • 「自分で自殺はしないが、もし自分がやるのだとしたら、ガスでもなく、睡眠薬でもなく、飛び降りである」
「ひこうき雲」の中では、亡くなる前に「高いあの窓から」空を見ていた「あの子」についての描写がありますが、この「あの子」というのは、「2つの死」で「実際に亡くなったあの子」の他に「自殺を考えている架空の自分」のことも含まれているような気がします。

なので「飛び降り」に対して「警鐘」のメッセージを鳴らすとか、逆に「飛び降り」を「肯定」するとかではなく、単純に「天才・松任谷由実」が、思春期の頃に「死を身近に体験した」ことで感じた思いを「一気に書き綴った曲」なのではないかと思いました。

まだ「10代」という年齢だからこそ書けた曲なのかもしれません。

しかし、そんな曲が、時を経て「映画の主題歌」に起用され、その歌詞についての意味が、未だに議論されるのですから、本当に松任谷由実さんという方は「才能の塊なんだな~」と感じます。

自分にとって近しい人の「死」というのは、多かれ少なかれ、その人に「影響」を与えます。

松任谷由実さんは「ひこうき雲」という曲の中で「亡くなった人」のことを「あの子」とし、いわゆる「死ぬこと」については、いずれも「肯定的」に捉えようとしているようにも見えます。

誰の身にも、いつかは平等に訪れる「死」というテーマについて、亡くなった側からの描写をした、「ひこうき雲」はそんな一曲なのではないでしょうか?

というわけで今回は「ひこうき雲の歌詞の意味に荒井由実が高校生で体験した事件が関係?」について見てきました。

最後までご覧になってくださって、どうもありがとうございます!

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