大手製薬会社の「バイエル薬品」の複数の社員が、ライバルとなる会社の薬の効果を調べるために、約200人分の患者のカルテを無断閲覧していたことが発覚しました。
これは、「バイエル薬品」の社員が、去年、厚生労働省に内部告発し、明らかに。
今回、内部告発した50代の社員は、患者さんに同意を得ず、無断でカルテを見たことに対して、謝罪の言葉も述べています。
また、「やってはいけないことは、「NO」と言える自分でいたかった」ともコメントし、会社ぐるみで、しかも上からの指示があったことも示唆しています。
バイエル薬品の社員が内部告発?イグザレルトって?
年間の売上が640億円にも上る大ヒット商品であるという「イグザレルト」は、バイエル薬品が5年前に発売した「血栓症治療薬」です。今回、内部告発により発覚した「カルテの無断閲覧」は、この「イグザレルト」の発売直前の2012年2月頃に行われたといいます。
上司の指示を受けた、バイエル薬品の社員が、ライバル社の薬の効き目に関するデーターを集めるために、繋がりのあった「宮崎県の開業医」の元へと出向きます。
そこで、およそ200人分のカルテを無断閲覧。
患者さんのデーターを書き写していたといい、その患者の中には「がん」「認知症」など、本来の目的とは関係のない、個人の病歴に関する情報も、かなり多く含まれていたということ。
10日、バイエル薬品は不適切なカルテの閲覧があったことを認めています。
バイエル薬品社員が内部告発?ブラックと評判?
個人情報の取り扱いについて、かなり厳しくなっているのは、現代を生きる人にとって、当たり前のように知られていることですね。しかも、「名前」「年齢」「性別」「原疾患」「どんな薬を他に飲んでいるか?」などの情報が、自分の知らない所で勝手に見られていたとしたら、気持ちが悪いです。
更に、今回のケースでは「アルツハイマー型認知症」といった、たとえ自分の身内がそうであっても、誰にも他の他人には知られたくないであろう、デリケートな病気を患っていた患者さんのデーターもあった模様です。
内部告発した50代の社員は、命令してきた上司に対して、カルテの無断閲覧を「やりたくないんです」と、告げたといいます。
ところが、帰ってきた言葉は、ちょっとキレられながら「(バイエル薬品)本社が、やってはいけないことを、やらせる訳ないでしょう!早くやってください!」というもの。
また、カルテを閲覧させた側の、宮崎県にあるという病院の開業医は、患者さんの承諾は得ていたので、当時は問題ないと判断していたといいます。
ただ、書面での承諾は取っていなくて、その点は、思慮が足りなく反省しているとも。
しかし、実際にカルテを無断で見られてしまった患者によると、複数の患者は、説明は一切無かったと、述べています。
バイエル薬品も、今回の件に関しては認めていますので、当然本社も承知していたと思われます。
となると、決して一営業所の独断で行ったとは思えず、会社ぐるみで行われた行為になりますね。
現在、厚生労働省は、法律や指針に反する可能性もあるとして、調査に乗り出しており、今後の展開にも注目が集まります。
※「宮崎の開業医師の病院はどこ?バイエル薬品の会社ぐるみ接待の内容は?」こちらの投稿では、カルテを無断閲覧させた開業医と、バイエル薬品との癒着についても触れていますので、宜しければ併せてご覧ください。